コエンザイムQ10が頭痛の予防に役立つ理由
片頭痛の原因になる「ミトコンドリアの機能低下」を予防する
片頭痛の原因はミトコンドリアの働きの悪さ
頭痛の一種である片頭痛の痛みは、主にこめかみから目のあたりに発作的に起こり、数時間から3日程度続きます。
この片頭痛が起こる原因は明らかにされていませんが、ミトコンドリアの機能低下によって起こるとも考えられています。
ミトコンドリアは細胞内に存在しており、体に必要なエネルギーを生産しています。このミトコンドリアの機能が低下すると、神経伝達物質であるセロトニンの分泌量が低下してしまうのです。
このセロトニンには、血管収縮作用があります。人が過度なストレスを感じると、脳内にセロトニンが大量に放出されて血管が収縮します。そして、時間が経過してセロトニンが減少すると、今度は収縮していた血管が反動で拡張します。
しかし、ミトコンドリアの機能が低下しているとセロトニンの分泌量も低下するため、拡張した血管を再び収縮させることができなくなります。
その結果、拡張した血管が炎症を起こして周囲の神経を刺激し、片頭痛を招いてしまうのです。
ミトコンドリアの機能を低下させる原因の一つとして、体内で過剰に発生した活性酸素による影響が考えられます。
呼吸によって吸い込んだ酸素の約2%は活性酸素になり、体内に入ってきた細菌を退治する役割を果たしてくれます。しかし、ストレスや喫煙などの影響を受けると、活性酸素は大量に発生してしまい、健康な細胞まで攻撃して機能を低下させるのです。
コエンザイムQ10の抗酸化作用が活性酸素を除去してミトコンドリアを守る
活性酸素による影響を抑えるためには、活性酸素を除去してくれる「抗酸化作用」をもつ成分を意識的に取り入れることが大切です。
コエンザイムQ10は、強い抗酸化作用をもっている成分ですので、サプリメントなどでしっかりと摂取することで、増えすぎてしまった活性酸素を減らすことができます。
そして、活性酸素を減らしてミトコンドリアの機能低下を防ぐことができれば、セロトニンの正常な分泌量を維持できるのです。
コエンザイムQ10は、牛肉やイワシなどに多く含まれています。しかし、これらの食材からコエンザイムQ10を摂取目安量分(約100mg程度)摂取するなら、牛肉だと約3kg、イワシなら約20尾以上も食べなければなりません。
ですから、健康を維持するためにコエンザイムQ10を取り入れるなら、サプリメントで摂取することをおすすめします。
片頭痛を引き起こす活性酸素を除去する
活性酸素が片頭痛を引き起こすメカニズム
前項で、活性酸素によってミトコンドリアの機能が低下すると片頭痛を起こす恐れがあるとご紹介しましたが、活性酸素そのものが片頭痛を引き起こす場合もあります。
活性酸素は、睡眠不足やストレスなどの影響を受けると大量に生み出されます。
この大量に生み出された活性酸素が、脳の血管の細胞や神経などを傷つけてしまうと、炎症を起こします。その結果、片頭痛の痛みが現れてしまうのです。
コエンザイムQ10の抗酸化作用が活性酸素による影響を抑制する
活性酸素が原因で引き起こされる片頭痛は、抗酸化力がある成分を積極的に摂取することで、痛みが和らぐ可能性が高くなります。
コエンザイムQ10がもつ抗酸化力は強いため、体内に取り入れることで活性酸素による影響が抑えられるといわれています。
このコエンザイムQ10は体内でもつくられますが、その生産量は20歳でピークを迎え、その後は加齢とともに減少してしまいます。ですから、コエンザイムQ10はサプリメントから意識的に補うことが望ましいです。
コエンザイムQ10が片頭痛の予防に有効であることは、スイスで行われた研究によっても示唆されています。
スイスのチューリッヒ大学病院神経内科のPeter S.Sandor氏が行った試験では、片頭痛患者がコエンザイムQ10を摂取したところ、片頭痛の発作頻度が低下したことがわかりました。
まとめ
コエンザイムQ10がもつ抗酸化作用によって、ミトコンドリアの機能低下を防いだり活性酸素による影響を抑えたりすることができます。そのため、コエンザイムQ10は、片頭痛の予防や症状の改善に役立つと考えられています。
また、慢性的な頭痛がある人は、脳の細胞内のコエンザイムQ10のレベルが低いともいわれています。
このように、コエンザイムQ10は頭痛の予防や症状の改善をサポートしてくれる成分ですが、コエンザイムQ10のサプリメントは頭痛を治療する薬ではありません。
ですから、片頭痛を予防するためには、まずストレスや疲労を溜めこまないことを心がけたり、タバコやアルコールを控えたりすることが大切です。頭痛が続く場合は、病院を受診して医師に相談をしましょう。
これらを心がけた上で、健康維持をサポートしてくれるコエンザイムQ10を取り入れると良いでしょう。