コエンザイムQ10がリウマチの症状の抑制をサポートするメカニズム
コエンザイムQ10の抗酸化力で炎症を抑える
活性酸素はリウマチの炎症を悪化させる原因になる
関節リウマチとは、関節が炎症を起こして骨が破壊され、関節の機能が損なわれてしまう病気です。放っておいてしまうと、関節が変形してしまう恐れもあります。
この関節リウマチで生じる痛みは、免疫の働きに異常が生じたために起こるといわれています。
免疫は、本来体内に入ってきたウイルスなどを攻撃し、排除する役割を担っていますが、この免疫の働きに異常が生じてしまうと、自分自身の細胞や組織まで攻撃してしまうのです。その結果、炎症が起こり、関節の痛みや腫れになって現れてしまいます。
そして、炎症が生じた際に、「サイトカイン」という物質が過剰に分泌されます。このサイトカインが、さらに炎症を悪化させてしまうのです。
サイトカインには、インターロイキン6(IL-6)やTNFa(ティーエヌエフ・アルファ)などがあります。これらによって炎症が悪化すると、軟骨や骨が破壊されてしまうのです。
また、炎症が悪化する過程では、活性酸素(※1)が重大な働きをしています。
(※1)活性酸素は、呼吸によって酸素を吸うことで自然と発生し、体内に侵入してきた細菌やウイルスと戦う働きがあります。しかし、ストレスなど何らかの原因で増えすぎてしまうと、健康な細胞まで酸化させてしまうのです。
炎症が起こると白血球の一種である好中球が増え、患部に活性酸素を撒き散らかします。その結果、増えすぎてしまった活性酸素が、不飽和脂肪酸に働いて過酸化脂質を作り、血行障害などを引き起こしてしまうのです。
このような活性酸素による影響が、リウマチの炎症の一因になると考えられています。
コエンザイムQ10には強い抗酸化力がある
コエンザイムQ10には、活性酸素を除去する強い抗酸化力があります。
このコエンザイムQ10を体内に取り入れることで、過剰に発生した活性酸素の働きを抑え、血行障害などの原因になる過酸化脂質の発生を抑制することができるのです。
コエンザイムQ10は体内でもつくられますが、その生産量は20歳でピークを迎え、その後は加齢とともに減少していってしまいます。
また、40代を過ぎると、体内にもともと備わっている「SOD」と呼ばれる活性酸素を押さえつける酵素の働きも低下します。
ですから、関節リウマチの症状を抑制するためには、コエンザイムQ10といった抗酸化成分を積極的に摂取すると良いでしょう。
コエンザイムQ10がミトコンドリアの機能を守る
ミトコンドリアの機能低下は炎症性サイトカインの分泌を促す
炎症性サイトカインであるインターロイキン1βの合成には、カスパーゼ1という酵素が関わっていますが、このカスパーゼ1の活性化に必要となるタンパク質複合体を総称して「NLRP3インフラマソーム」と呼ばれています。
このNLRP3インフラマソームは、細胞内に存在しているミトコンドリアと密接に関わっており、ミトコンドリアの機能が低下していると、NLRP3インフラマソームが活性化するといわれています。
すなわち、ミトコンドリアの機能低下は、炎症性サイトカインであるインターロイキン1βの分泌を促し、リウマチの症状の悪化にも繋がってしまう恐れがあるのです。
コエンザイムQ10の抗酸化力でミトコンドリアを活性酸素から守る
活性酸素は、ストレスや紫外線、喫煙などの影響を受けると過剰に発生してしまい、健康な細胞まで酸化させてしまいます。
ミトコンドリアは、この過剰に発生した活性酸素による攻撃に弱いという特徴があります。
ですから、ミトコンドリアの機能を活性酸素から守るためには、コエンザイムQ10といった抗酸化力がある成分を意識的に取り入れることが望ましいです。コエンザイムQ10の抗酸化作用によってミトコンドリアが活性酸素から守られ、機能低下を防げれば、炎症性サイトカインの分泌を抑制することができます。
コエンザイムQ10は、イワシや牛肉などに多く含まれています。しかし、コエンザイムQ10の一日の摂取目安量(約100mg程度)を満たすためには、イワシの場合は約20尾程度、牛肉の場合は約3kg以上も食べる必要があります。
このように、食品からコエンザイムQ10を十分に補うことは難しいです。このため、コエンザイムQ10を効率よく補給するなら、サプリメントで摂取することをおすすめします。
まとめ
コエンザイムQ10がもつ抗酸化力は、リウマチの炎症に影響を与える活性酸素の働きの抑制に役立ちます。
しかし、コエンザイムQ10のサプリメントはリウマチを治す薬ではないため、安易に過剰に摂取することは危険です。
ですから、リウマチの痛みの抑制のためにコエンザイムQ10を取り入れたいとお考えの方は、摂取する前に必ず医師に相談をしましょう。