アトピーの症状の抑制をサポートしてくれるコエンザイムQ10の働き
アトピーを悪化させる活性酸素を除去する
過酸化脂質は皮膚細胞を徐々に破壊する
湿疹やかゆみなどの症状が現れるアトピー性皮膚炎は、皮膚のバリア機能が弱い方やアレルギーを起こしやすい人に多く見られます。
このアトピー性皮膚炎を悪化させる原因の一つになるのが、体内で増えすぎた活性酸素です。
活性酸素は、酸素を吸うことで発生して細菌やウイルスを退治してくれますが、ストレスなどの影響を受けると必要以上に増えすぎてしまい、健康な細胞まで酸化させてしまいます。
体内にある不飽和脂肪酸が、この過剰に発生した活性酸素によって酸化させられると「過酸化脂質」に変化します。
この過酸化脂質は、皮膚細胞を徐々に破壊し、皮膚のバリア機能を弱くさせてしまうのです。その結果、皮膚が刺激などに過敏な反応を起こして、アトピーの症状が悪化してしまうのです。
コエンザイムQ10の強い抗酸化力が過酸化脂質の発生を抑制する
体内で増えすぎた活性酸素による影響を抑えるためには、活性酸素を除去する働きをもつ抗酸化物質を取り入れることが大切です。
コエンザイムQ10には強い抗酸化力がありますので、過剰な活性酸素による影響を抑えてくれることが期待できます。
コエンザイムQ10の抗酸化力で不飽和脂肪酸の酸化を防げれば、アトピーを悪化させる過酸化脂質の発生の抑制にも繋がります。
ATPの生産を高めてアトピーを悪化させる冷えを予防する
冷えによる腸の働きの低下がアレルギー症状を引き起こす
アトピー性皮膚炎といったアレルギー疾患は、体の免疫系のトラブルによって引き起こされます。この免疫系のトラブルを防ぐためには、免疫システムを司る腸の正常な働きを維持することが大切です。
特に、小腸は全身の約70%もの免疫細胞が集まっている重要な臓器です。こういった腸の働きが悪くなると、免疫系の働きが乱れてアレルギー症状に繋がる恐れがあります。
腸の働きを低下させる原因として考えられるのが、体の冷えです。
腸が冷えて働きが低下してしまうと、食品添加物や未消化のタンパク質などが、腸の毛細血管から体中に入りやすくなります。体がその異物を排除しようとして、皮膚症状やアレルギー症状となって現れてしまうことがあります。
ですから、腸の機能の低下を防ぐためにも、体を冷やさないことを心がけることが大切です。
コエンザイムQ10には体温の維持に必要なATPの生産を活性化する働きがある
コエンザイムQ10には、ミトコンドリアの働きをサポートして、体温の維持に必要なATP(アデノシン3リン酸)の生産を活性化する働きがあります。
このATPは「生体のエネルギー通貨」とも呼ばれ、体内のあらゆる活動で使われるエネルギーです。また、ミトコンドリアによってつくられたATPの約75%は、体温の維持に使用されます。
ミトコンドリアは、食品などから摂取した糖質・脂質・タンパク質などの栄養素を変換することでATPをつくり出しますが、その働きを行うためにはコエンザイムQ10の力が欠かせません。
ですから、体内のコエンザイムQ10の量が足りないとATPの量も不足し、体温が下がって冷えを感じるようになってしまうのです。
体内でもコエンザイムQ10はつくり出されますが、その生産量は20歳を過ぎると加齢に伴って減少していってしまいます。そのため、コエンザイムQ10はサプリメントなどから意識的に補うことが望ましいです。
コエンザイムQ10によってATPの生産が活性化されれば、体温を維持して冷えを抑えることができます。
また、体が温まると血管が拡張して血流が良くなり、老廃物の排出が促されます。その結果、腸の機能や皮膚のバリア機能の低下が抑えられるのです。
まとめ
コエンザイムQ10には強い抗酸化作用があるため、アトピーを悪化させる活性酸素の働きの抑制に期待できます。
また、体温の維持に必要なATPづくりを活性化する働きもあるため、冷えによる免疫系のトラブルの予防にも役立つと考えられます。
しかし、コエンザイムQ10のサプリメントはアトピーを治療する薬ではないため、安易に過剰摂取することは危険です。
ですから、アトピーの症状の抑制のためにコエンザイムQ10のサプリメントを取り入れたいとお考えの方は、素人判断で摂取せずに必ず医師に相談をしましょう。