コエンザイムQ10を含む大豆油の特徴と摂取する際の注意点
コエンザイムQ10は、エネルギーをつくるために欠かせない成分です。しかし、体内でつくられるコエンザイムQ10の量は、20歳を過ぎると減少していってしまうため、食品などから意識して補う必要があります。
このコエンザイムQ10を含む油の一つが、大豆油です。
大豆油の特徴
大豆油とは
大豆油とは、大豆の種子から採取される油脂で、日本ではキャノーラ油と同様にポピュラーな食用油です。
家庭などで使われるサラダ油は、この大豆油に「なたね油」や「コーン油」などがブレンドされています。大豆油は、フライ油として使われるだけでなく、硬化してマーガリンなどの原料としても使用されています。
大豆油の脂肪酸(※1)は、リノール酸が約半分ほど占めています。次にオレイン酸が多く含まれています。
(※1)脂肪酸とは、脂質を構成する重要な成分です。食品に含まれている脂肪の約9割が脂肪酸でできているといわれています。
リノール酸とは
脂肪酸には、液体のものが多い不飽和脂肪酸と、個体のものが多い飽和脂肪酸の2種類がありますが、リノール酸は不飽和脂肪酸のひとつです。
リノール酸は、体内でつくりだすことができないため、食品から摂取する必要があります。このような脂肪酸を、「必須脂肪酸」といいます。
このリノール酸には、血液中のコレステロール濃度を下げる働きがあります。
大豆油を摂取する際の注意点
リノール油を過剰に摂取すると危険
リノール酸は必須脂肪酸であるため、食品から補う必要があります。しかし、リノール酸を過剰に摂取してしまうと、悪玉コレステロールだけでなく善玉コレステロールまで減らしてしまう恐れがあるのです。
善玉コレステロールには、血管壁などに蓄積された悪玉コレステロールを回収し、肝臓に戻す働きがあります。ですから、リノール酸の過剰摂取によって善玉コレステロールが減ってしまうと、血液中のコレステロール値が増加してしまうことがあります。
また、リノール酸を摂り過ぎると、アトピー性皮膚炎といったアレルギー性炎症疾患を起こすリスクが高くなってしまうのです。さらに、心臓の病気なども招く可能性があるともいわれています。
油の摂取バランスをよく考えよう
このように、リノール酸は必須脂肪酸ではありますが、多く摂り過ぎてしまうとかえって健康トラブルを引き起こす可能性があるのです。
リノール酸は、通常の食事をしていれば欠乏症になることはないともいわれています。ですから、大豆油を料理に使う際は、一度に沢山の量を使わずに、他の料理との栄養バランスを考えることが大切です。
まとめ
コエンザイムQ10は、エネルギーをつくるために必要な成分ですので、食品などから意識して補う必要があります。
コエンザイムQ10は大豆油にも含まれていますが、大豆油にはリノール酸が多く含まれているため、摂取する際は過剰に摂り過ぎないように注意する必要があります。
また、コエンザイムQ10は、いわしやサバに多く含まれています。
ですから、コエンザイムQ10を食材から摂取するなら、リノール酸が多い大豆油ではなく、イワシやサバなどの魚類から摂取することをおすすめします。