不妊に悩む方におすすめ!妊娠力アップに役立つコエンザイムQ10の働きとは
コエンザイムQ10の抗酸化作用が卵子の老化の抑制に役立つ
卵子の老化は不妊の原因に繋がる
妊娠を希望している男女が、避妊をせずに性交を一定期間(一年)行っているにもかかわらず、妊娠の成立をみない場合を「不妊」といいます。この不妊の原因は、主に卵子の老化による質の低下だと考えられています。
卵子の元になる卵母細胞は、生まれる前の胎生5カ月頃に最も多く作られますが、その後は減少していきます。そして、出生後も卵母細胞の数は増えることはなく、37歳頃を過ぎるとさらに急速に減少してしまうのです。
ですから、排卵する卵子の年齢は、実年齢とほぼ変わらないといえるのです。
女性が年齢を重ねるにつれて、卵巣内で卵子が老化すると、卵子の質が低下します。この卵子の質の低下には、活性酸素による酸化ストレス(※1)が大きく関与しているといわれています。
(※1)活性酸素は、酸素を吸うことで自然と発生して、細菌やウイルスと戦う役割を果たしてくれます。しかし、ストレスなどの影響を受けると活性酸素は過剰に発生し、健康な細胞まで酸化させます。この活性酸素によって細胞がダメージを受けることを酸化ストレスといいます。
卵子も細胞ですので、体内で増えすぎた活性酸素によって卵子が酸化させられると、卵子の機能も低下してしまうのです。
このように、卵子が酸化ストレスを受けると、卵子の老化が進む恐れがあります。また、卵子が老化してしまうと、体外受精をしても育たない可能性があるともいわれています。
コエンザイムQ10の抗酸化力が卵子の質の低下を抑える
卵子の酸化ストレスを防ぐためには、体内で増えすぎた活性酸素の除去に役立つ「抗酸化物質」を取り入れることが望ましいです。
コエンザイムQ10には強い抗酸化力があるため、活性酸素による影響の抑制に期待できます。
コエンザイムQ10によって活性酸素の影響が抑えられれば、卵子の酸化の予防が叶う可能性が高まります。そして、卵子の酸化を防げれば、卵子の老化の抑制にも繋がるのです。
コエンザイムQ10が卵子と精子に必要なATPづくりを活性化する
卵子と精子の活動にはミトコンドリアがつくるエネルギーが必要
細胞である卵子と精子の中には、「細胞のエネルギー工場」とも呼ばれるミトコンドリアが存在します。
卵子と精子は単一細胞といわれ、このミトコンドリアがつくるエネルギーだけで生活します。すなわち、卵子や精子の全ての活動において、ミトコンドリアがつくり出すエネルギーであるATP(アデノシン3リン酸)が必要不可欠なのです。
ミトコンドリアは、食事などから取り入れた糖質・脂質・タンパク質などの栄養素を変換することで、ATPをつくり出します。
このATPは、体内のあらゆる活動において必要とされる貴重なエネルギーです。ですから、ミトコンドリアの機能が低下するとエネルギー不足になってしまい、細胞の機能も低下します。
卵子や精子も細胞ですので、ATPが不足すると卵子や精子の質も低下してしまうのです。
コエンザイムQ10がATPをつくるミトコンドリアをサポートする
ミトコンドリアがATPをつくり出すためには、ミトコンドリアの働きを助ける役割を持つコエンザイムQ10が必要です。そのため、体内のコエンザイムQ10の量が足りないと、ミトコンドリアの働きも弱くなり、ATPの生産量も減ってしまうのです。
また、コエンザイムQ10の抗酸化作用で活性酸素による影響を抑えられれば、ミトコンドリアの機能を維持することができます。
体内で生産されるコエンザイムQ10の量は、20歳を境に減っていってしまいます。ですから、ミトコンドリアの機能を維持するためには、コエンザイムQ10をサプリメントなどから意識的に補うことが大切です。
コエンザイムQ10のサポートによってATPの生産量が高まれば、卵子と精子の質の低下を防いでパワーを高めることが期待できるのです。
実際にカナダで行われた研究では、コエンザイムQ10を摂取させた高齢のマウスは、コエンザイムQ10を摂取しなかった高齢のマウスと比べて、質の良い卵子の数が多かったことが報告されています。
また、イタリアで行われた研究では、男性不妊者がコエンザイムQ10を摂取したところ、精子の運動率が改善されたことが報告されました。
まとめ
コエンザイムQ10の持つ働きは、卵子や精子の質の低下の抑制に役立ちます。しかし、コエンザイムQ10だけで不妊を改善することはできません。
ですから、不妊を改善して妊娠を叶えるためには、まずは専門の医師に相談することが大切です。そして、妊娠力を高めるためにコエンザイムQ10のサプリメントを摂取する場合も、素人判断で摂取せずに必ず医師に相談をしてから取り入れましょう。