コエンザイムQ10とグレープフルーツジュースの関係
グレープフルーツに含まれている栄養
グレープフルーツは、特有の苦みと酸味がある柑橘類で、ジュースの原料としても利用されています。
グレープフルーツに含まれている栄養素は、ビタミンCやビタミンB1、葉酸、カリウム、食物繊維(ペクチン)、ナイアシン、クエン酸など健康に役立つものです。
これら栄養素には、血液中のコレステロール値を下げる働きや整腸作用、シミの原因になる「メラニン色素」の沈着の防止など、健康や美肌の維持に嬉しい働きがあるといわれています。
さらに、グレープフルーツは「グリセリンインデックス値(※1)」が低いため、血糖値の上昇の抑制にも期待できます。
(※1)グリセリンインデックス(GI)は、食品に含まれている糖質の吸収度合いを示し、摂取してから2時間までの血液中の糖濃度を計ったもののことをいいます。
グレープフルーツジュースがコエンザイムQ10に与える影響
実は、日本で行われた研究で、コエンザイムQ10とグレープフルーツジュースを一緒に摂取することで、コエンザイムQ10の吸収が良くなったという報告があります。
脂溶性であるコエンザイムQ10は、水に溶けにくく脂に溶けやすいという特徴があるため、もともと体内での吸収率は良くない成分です。このコエンザイムQ10を、グレープフルーツジュースと一緒に摂取することで、吸収率の向上に期待できるのです。
しかし、コエンザイムQ10をサプリメントで摂取する場合は、ジュースでサプリメントを摂取してしまうと、コエンザイムQ10の吸収の妨げになってしまう可能性があります。ですから、コエンザイムQ10のサプリメントは、グレープフルーツジュースではなく、常温の水で飲みましょう。
グレープフルーツジュースと飲み合わせてはいけない薬について
グレープフルーツジュースは、医薬品との相互作用が多いため、薬を服用中の方は飲み合わせに注意する必要があります。
血圧を下げる薬である「カルシウム(Ca)拮抗薬」は、体内の「CYP3A4」という酵素によって分解され、排泄されます。しかし、グレープフルーツジュースは、CYP3A4の酵素の力を衰えさせてしまう危険性があるといわれているのです。
CYP3A4の力が弱くなってしまうと、Ca拮抗薬の分解が遅くなって薬が効きすぎてしまいます。その結果、血圧が必要以上に下がりすぎてしまうのです。
ですから、Ca拮抗薬を服用している方は、グレープフルーツジュースを飲むことは控えましょう。