コエンザイムQ10にはどんな原料が使われているの?
サプリメントなどに使用されるコエンザイムQ10の原料は、製造方法によって違いがあります。
コエンザイムQ10の製造方法には、発酵法と合成法があります。
発酵法で製造されるコエンザイムQ10の原料
発酵法とは、微生物や酵母を使ってコエンザイムQ10を抽出する方法です。
この発酵法では、主にテンサイやサトウキビなどが原料として使用されています。
このような天然の植物などを原料にして、発酵法で製造されるコエンザイムQ10は「トランス体」と呼ばれる構造をしています。
トランス体のコエンザイムQ10は、魚や肉などに含まれているコエンザイムQ10と同じ構造をしています。
また、体内にあるものと同じ形であるため、安全性も高い点が特徴です。
合成法によって製造されるコエンザイムQ10の原料
合成法では、タバコ由来の成分を原料にして、化学合成によってコエンザイムQ10が製造されます。
タバコ由来の成分から抽出されるものは「コエンザイムQ3」であるため、これを化学合成によってコエンザイムQ10に生成します。
この合成法によって製造されるコエンザイムQ10は、「シス体(異性体)」と呼ばれる構造をしており、天然のコエンザイムQ10とは構造が違います。
すなわち、タバコ由来の成分から合成法で製造されるコエンザイムQ10よりも、テンサイといった植物から発酵法で製造されるコエンザイムQ10の方が、純度や安全性が高いのです。
コエンザイムQ10のサプリに含まれるその他の原料
コエンザイムQ10は、脂溶性の物質であるため、水に溶けにくく油に溶けやすいという性質があります。
このため、コエンザイムQ10のサプリメントによっては、吸収性を高めるために体に良いエキストラバージンオリーブオイルを原料として使用しているものが存在します。
また、サプリメントのカプセルには、溶解が早くてアレルギーの心配がない植物性ソフトカプセルを使用しているものもあります。
さらに、コエンザイムQ10と相性が良いビタミンEが一緒に配合されているものを選ぶことで、さらに活性酸素(※1)を除去する抗酸化力に期待ができます。
(※1)呼吸によって体内に発生し、ウィルスや細菌を攻撃する働きがあります。しかし、ストレス等によって過剰に発生してしまうと、健康な細胞まで酸化させて機能を低下させます。
まとめ
コエンザイムQ10の原料は、製造方法(発酵法と合成法)によって違いがあります。
発酵法では、主にテンサイやサトウキビなどの自然の植物を原料にして、酵母を使用してコエンザイムQ10を製造します。
これに対して合成法は、タバコ由来の成分を原料にして、化学合成によってコエンザイムQ10を製造します。
このような合成法によってつくられるコエンザイムQ10は、シス体(異性体)と呼ばれる構造をしているため、天然のコエンザイムQ10(トランス体)とは構造が違います。
トランス体のコエンザイムQ10は、発酵法でのみ得ることができるのです。
ですから、コエンザイムQ10のサプリメントは、テンサイやサトウキビなどの植物を原料として、発酵法によって製造されたものを選ぶと、より純度と安全性が高いためお勧めです。
また、コエンザイムQ10の吸収性を高めてくれるエキストラバージンオリーブオイルを含むものや、アレルギーの心配がない植物性ソフトカプセルを使用しているものを選ぶとより良いでしょう。