コエンザイムQ10が脳出血の予防に役立つ理由
コエンザイムQ10は脳出血の原因になる高血圧の予防に役立つ
高血圧と脳出血の関係
脳の血管が何らかの原因で破壊され、脳の中で出血を起こした状態を「脳出血」といいます。脳出血が起こると脳の神経細胞が破壊され、障がいや合併症が残ったり、命の危機を引き起こしたりする可能性があります。
この脳出血を引き起こす最大の原因は、高血圧です。脳出血の約8割は、「高血圧性脳出血」によって起こるといわれています。
長年高血圧を放置してしまうと、脳の中の細くて脆い血管に負担がかかり続けます。その結果、さらに血管が脆くなって血管の壁の一部に裂け目ができます。
その裂け目にさらに圧が加わってしまうと、血管が破壊され、脳出血を起こしてしまうのです。
コエンザイムQ10はATPの生産を活性化して血圧の上昇を抑制する
コエンザイムQ10には、血管拡張作用があるATP(アデノシン3リン酸)をつくり出す力を活性化する働きがあります。
このATPは、食事などで摂取した糖質・脂質・タンパク質などの栄養素が、細胞内に存在するミトコンドリアの機能によって変換されることで生まれます。
ATPは血管を拡張させるだけでなく、体内の様々な活動において重要なエネルギーであるため、ミトコンドリアがうまく働かないとエネルギー不足になってしまうのです。
ミトコンドリアがうまくATPをつくり出すためには、ミトコンドリアの働きをサポートしてくれるコエンザイムQ10が必要です。しかし、体内でつくられるコエンザイムQ10の量は、20歳を境に減っていってしまいます。
ですから、ミトコンドリアがATPを十分につくり出せるようにするためには、コエンザイムQ10をサプリメントなどから積極的に摂取することが大切です。
コエンザイムQ10をしっかりと補い、ATPがうまくつくり出されるようになると、ATPのもつ血管拡張作用によって、血圧の上昇を抑制することができます。そして、高血圧を予防することで、脳出血の予防にも繋がるのです。
また、コエンザイムQ10を用いた血管内皮細胞における効果を調査した研究では、血流に比例した血管拡張作用が認められ、コエンザイムQ10が高血圧の予防に役立つことが示唆されました。
コエンザイムQ10が脳出血の原因になる動脈硬化の予防に役立つ
動脈硬化と脳出血の関係
脳出血を引き起こす原因の一つとして、動脈硬化による影響も考えられます。
脂質を過剰に摂り過ぎたり偏った食生活を続けたりすると、悪玉(LDL)コレステロールが血液中に増えすぎてしまいます。すると、細胞内に収容しきれなくなり、悪玉コレステロールが余ってしまいます。
その余った悪玉コレステロールが、血管の内皮細胞のすき間から内膜に入り込むと、活性酸素(※1)によって酸化されて「酸化LDL」になります。この酸化LDLは血管壁を傷つけて、血管が持っている血管拡張作用を弱らせてしまいます。
(※1)活性酸素は、呼吸によって酸素を吸うことで自然と発生して、体内に侵入した細菌やウイルスと戦います。しかし、ストレスなどの影響を受けると過剰に発生してしまい、健康な細胞も酸化させて機能を低下させてしまうのです。
また、血管壁に沈着した酸化LDLは、白血球のマクロファージが自分自身の中に取り込んで処理します。限界まで取り込んで膨れ上がったマクロファージは、やがて死滅し泡沫細胞と呼ばれる状態になります。
この泡沫細胞が増え続けてしまうと、血管内を狭くして動脈硬化を引き起こしてしまうのです。
このように、血管に動脈硬化が起きていると、血管内が狭くなったり弾力性がなくなったりして、血液がスムーズに流れにくくなります。その結果、心筋に圧力がかかって血圧が上昇してしまい、脳出血に繋がってしまうのです。
コエンザイムQ10のもつ抗酸化力が酸化LDLの発生を抑制する
動脈硬化を予防するためには、悪玉コレステロールを酸化させる活性酸素を除去してくれる抗酸化成分を取り入れることが大切です。
コエンザイムQ10はこの抗酸化力が強いため、十分に補うことで体内で過剰に発生した活性酸素をしっかりと除去することができます。
そして、コエンザイムQ10によって過剰な活性酸素が除去されることで、悪玉コレステロールの酸化を抑えることができ、脳出血に繋がる動脈硬化の予防が叶えられるのです。