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コエンザイムQ10による病気の予防・改善(心不全・心筋梗塞・狭心症)

コエンザイムQ10は、現在は栄養補助食品や化粧品として広く流通していますが、かつて米国では心臓病の治療薬として使用されていました。日本でもその効果が認められて1973年にうっ血性心不全の治療薬として認可が下りています。
コエンザイムQ10は心臓に関わる病気に対して有効だと考えられています。では、どのように予防・改善するのでしょうか。

様々な心臓病


心臓に関わる病気について症状や原因について確認します。

心不全

心不全とは心臓の機能が低下して、体内に十分な血液を送り出せなくなった状態のことです。血液を送り出すポンプ機能が低下することで様々な臓器に異常が起きてしまいます。臓器に水分が溜まったり下半身がむくんだりして、進行すると酸欠状態になり呼吸が困難になります。
もともと心疾患を抱えている場合や、高血圧・腎臓病などでも心不全の原因に繋がります。

心不全の詳細をみる

心筋梗塞

心臓病による死因の約半分が心筋梗塞や重度の狭心症と言われています。
心臓には血液を全身に送るためにポンプ機能があり、ポンプを動かすための心臓の筋肉には酸素や栄養素が必要です。心臓を取り囲むように広がる冠動脈という血管が酸素や栄養を運んでいるのですが、その血管が完全に詰まってしまうのが心筋梗塞です。
胸の締め付け、意識が遠のく、呼吸が苦しい、冷や汗・脂汗が出る、胃痛、吐き気などの症状が現れます。動脈硬化が起こりやすいような、高血圧、高コレステロール、糖尿病、喫煙者などが心筋梗塞になりやすいです。

心筋梗塞の詳細をみる

狭心症

狭心症は心筋梗塞の一歩手前です。冠動脈が完全に詰まるのが心筋梗塞ですが、冠動脈が狭くなって血液の流れが悪くなるのが狭心症です。心筋梗塞と同じく動脈硬化や血栓などが原因で発症します。症状もほとんど同じです。

狭心症の詳細をみる

コエンザイムQ10の心臓病の予防・改善効果

心不全、心筋梗塞、狭心症の心臓の病気について、ポンプ機能の低下や冠動脈の詰まり・狭まりが発症の原因だと分かりました。
コエンザイムQ10は全身の細胞内に存在して、エネルギー産生をサポートする補酵素として働き、細胞を活性化する効果があります。特にエネルギーを使う臓器や組織には多く存在しています。中でも心臓は血液を送り出すためのポンプ作用を1日に10万回も繰り返すと言われているので、他の臓器よりもエネルギーが必要でありコエンザイムQ10の量も多いです。
しかし年齢とともにコエンザイムQ10の量が減少していくことが分かっています。心臓はエネルギーを消費するのでコエンザイムQ10の減少も著しく、20代を100%とすると40代で68.2%、80代では42.9%まで減ってしまうのです。
そこでコエンザイムQ10を摂取して十分な量を保っていれば、心臓に存在する多数の細胞が活性化して心機能を高めることができます。心臓には内皮細胞や心臓繊維芽細胞、微小血管内皮細胞、平滑筋細胞などがあり心臓の組織に関わっています。
コエンザイムQ10のエネルギーを作り出す作用によってこれらの細胞が活発になり、正常に機能することでポンプ機能が向上して心不全などを予防・改善するでしょう。
さらにコエンザイムQ10には活性酸素を除去する抗酸化作用があります。活性酸素は細胞を老化させたり、血管内の悪玉コレステロールを酸化させて血栓や動脈硬化に繋がったりします。活性酸素を除去することで血管の詰まりを防ぐのです。心筋梗塞や狭心症の予防・改善にも繋がります。

コエンザイムQ10の実験結果

ここでコエンザイムQ10が心臓に有効な効果をもたらした実験について紹介します。
重度のうっ血性心不全患者7名に1日あたり450~900mgの還元型コエンザイムQ10を3~20週間摂取してもらうという実験が行われました。
その結果、患者の血中コエンザイムQ10濃度が増加して、うっ血性心不全の症状も改善されたのです。左心室の収縮力が平均値まで回復して、重症度のレベルも下がりました。
「安静時にも症状が起きるため身体活動を制限される」クラスⅣから、「軽度の身体活動の制限があるが安静時には無症状」というクラスⅡまで平均的に改善しています。
参考元:「還元型コエンザイム Q10 摂取による種々の疾患改善及び QOL 向上効果の検証 」一般社団法人 北海道食産業総合振興機構(フード特区機構) (2018/04/04)
http://www.h-food.or.jp/dbadm/media/hf_ResearchSummary_Resistant_coenzymeQ10_1.pdf

このことから、コエンザイムQ10を継続的に摂取することでエネルギー産生や抗酸化作用の働きにより心疾患の改善に期待できることが分かりました。
身内に心臓病を抱える人がいて心配だという方はコエンザイムQ10を摂取して予防・改善に取り組んでみてはいかがでしょか。

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